以下は、僕が1978年頃に書いた雑誌の記事です。たまたま、コピーが出てきましたので、ここに再公開します。（僕も、書いたのを忘れていたものです。）

　その当時、「エスペラントをもっと使う会」というのをやっていて、その中で手に入れた資料を基に書いたものです。

エスペラント書きの日本アナキズム運動資料

　「もっと使う会」では、日本のアナ・エス運動の成果を吸収・継承するために、アナ・エス運動の資料集めをしています。手はじめにエスペラントで書かれたものを集めています。エスペラント文で書かれたものだけが、海外にも通用しえた、本当の意味でのアナ・エス運動だったと思うからです。これらのエス文も、海外（日本語では通じない相手）にどれだけ流布し、影響力があったのか、という考察が伴わなくてはならないのですが、それはまだ宿題です。それでもなお、この資料目録は、日本アナ・エス運動の実体を見る手がかりを提供するものと言えるでしょう。

　これからも、資料の発掘と、コピーの収集をし、資料集を作る計画をしています。以下のリストにないエスペラント文献でご存知のものがありましたら、会の方にご連絡ください。会にある資料も活用してください。

I（もっと使う会に）写しのあるもの

(1)大杉栄の書いたもの

1.「桃太郎」エス訳(1906)

2.「国際社会評論」への投稿記事

　a 「青年に訴う」掲載による入獄の記事(1908.2)

　b 屋上演説事件の記事(1908.5)

3.「平民新聞」のもの

　a 「平民新聞」発刊の記事(1号 1914)

　b 「平民新聞」1号発禁の記事

　c 他に1つ

　--以上、春陽堂版「大杉栄全集」第4巻1-24頁(1926)

(2)第4次「労働運動」の記事

　第1, 9-15, 17, 18号（各号の内容紹介 1923-1926）

(3)「La Anarkiisto」(「アナキスト」)第1-8号（1929-1931 全文エスペラント誌。12号まで発行されたという風説は間違い。）

(4)「Esperanto-Folio de AFJ」

　1960.2, 1961.1（アナ連全エスペラント文機関紙）

(5)「九州自由共産新聞」第4号(1951.10.14)

II「使う会」にはないが、存在の確認されているもの

(1)「Verda Utopio」（「緑のユートピア」）1920-1922、月刊、全文エスペラント誌、クロポトキンの言葉の紹介などがある。12号までという風説は誤り。日本エスペラント学会蔵）

(2)第5次「労働運動」

　第1, 3-10号（各誌記事のエス訳、各号1-2頁 1926-1927）

(3)「Esperanto-Folio de AFJ」

　1956, 1957.1-7, 1958.1-6, 1959.1-5, 1960.1-2（山鹿文庫蔵）

(4)「Martiroj de Japana Anarkista Movado」（「日本アナキズム運動の犠牲者」）1957（山鹿文庫蔵）

(5)日本アナキスト連盟規約エス訳 1955（山鹿文庫蔵）

(6)「黒色青年」第21-24号（1926-）

(7)「自由連合」第1, 27-43, 45-57, 59-61, 64, 65号（1926-）

(8)「平民新聞」第36, 37, 71, 78, 80, 115号（1949　この号数は一部のみ。後日補充します。）

(9)山鹿泰治の草稿類

　a 幸徳秋水「キリスト抹殺論」エス訳原稿

　b 「日本アナキズム運動史」よりの聞き書きのエス訳

　c 「菜食主義」

　d 「愛国主義粉砕」

　e 「反封建制」

　f 「ゼネラル・ストライキ」（IWWパンフのエス訳　以上山鹿文庫蔵）

III「使う会」確認してはいないが、あると言われているもの

(1)第4次「労働運動」第3号エス語付録（1923）