ふ て い き び ん 第132号 2001.12.15
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ひろせ しんじ: 神奈川県藤沢市
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011207（金）夜。皆が帰って、急に一人になったので、懸案の「ふ」を作ることにします。前の号が010926ですから、随分引っかかっていたものです。
戦争抵抗者リーグのメッセージをそのまま載せて、その後自分の言葉で書こうと思っていたのに、書けないままでいました。戦争抵抗者リーグには手紙を書いて、返事をもらいました。
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戦争抵抗者リーグの声明文は今読み直しても共感できます。良いものだと思います。その上で、なお自分の言葉で書くということにこだわっています。
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ニューヨークで、飛行機が突っ込んだのを見て、一番初めに感じたのは、自分がその場に居合て犠牲者になる可能性があるということ。その場に居たら諦めるだろうという思い。何故か そういう諦めと一緒に自分がやられることを考えていた。テロをする人達からしたら、テロの対象の側に僕も居ると強く感じた。
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「復讐」という意味では「湾岸戦争の復讐だ。」とすぐに思った。湾岸戦争の時はニュース映像は見なかった。今回は、見た。見たと言っても皆と比べたらすごく短い時間。おやじの部屋まで、TVを見に行かないと、見れないのだから。
映像は強烈だった。湾岸戦争では、自分は安全な場所に居て映像を見ていたのに、今回は、飛行機が自分に向って飛んで来たし、自分の頭の上からビルが落ちてきた。
三菱重工の爆弾の時は、やられる側には居なかった。むしろ、やる人の方が近かったと思う。心情的にはそうだった。
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僕は、裸で町を歩く人が増えると良いなと思っている側の人だと、はっきり思った。もちろん、顔を見せるも見せないも自分の勝手。髭をそるのも剃らないのも自分の勝手と思っている。だから、完全に反対側に居る。
それでいて、かぶりたい人から剥がすつもりは毛頭ない。髭を伸ばす人にケチをつける気はない。僕は僕のことを決められれば十分。脱ぎたいのに脱げない人は応援してあげたい。でも、それも本人の思いが先。脱ぐのが正しくて、被っているのが正しくないとは思わない。
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テロの原因はやはり、アメリカにあると思う。イスラエルの不正義にあまりにも加担しすぎていると思う。今も不公平だと思う。
僕の生活自体も、貧しい人達を より貧しくする結果を生むことで成り立っていると思う。こちら側に居たまま言っても、何もないのだけれど。不公平（＝不正義）があって、その上で僕等の繁栄はあると思う。たまたま今は繁栄の側に居るのだと思う。不正義を働いていると思う。
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アメリカの軍事行動は、「テロをなくす」のではなくて、自らテロをしているし、テロを作っている。軍事行動が、もっとも大きなテロ行為だと思う。不正義を各国を巻き込んでやっていると思う。皆、同じ穴のむじなだから一緒にやっているのだと思う。僕は、反対を表明しつつも、不正義を働く側で生活している。
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テロは、相手を圧倒することで、無くせるものではない。手段がなくなれば無くなるもど、テロに行くのだから。他に道具がないからこそ、自分自身の身体を武器にしているのだから。
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何よりも、ラディンが犯人だとしても、アルカイダが犯人グループだとしても、できることは、犯罪者として裁くこと。それ以上ではない。「匿った者も同罪」とは決して言えない。実行犯と匿った者は、確実に罪状が違う。
それより前に、実行犯は皆既に死んでいる。だから、教唆犯、共謀犯でなければ裁けない。それは、裁判において明らかにされて初めて判断できること。現行犯が確実に目撃されていて、その犯人を追跡しているというような場面ではない。煽ったか、資金援助をしたか、ではなくて、共犯として成り立つだけのことをしたかが問題なのだ。
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ラディンが犯人だとしも、犯人側だから爆撃するというのは、筋が通らない。不正義だ。国家がそういう犯罪を行ってはいけない。
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ラディンが犯人だとしても、タリバンとラディンを同視することはできない。例で言えば、日本赤軍がテルアビブでテロをして、赤軍を日本政府が捕まえられなかったからという理由で東京を爆撃するようなものだ。
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まして、タリバン政権を倒して、北部同盟に政権を取らせる等々は、ニューヨークのテロを理由にしてできることではない。
だから、僕は、アメリカはテロを口実にして、アフガニスタンで好き勝手をやっている、と考えている。そこには正義はない。「テロをなくす」こととは正反対の行動だし、「テロ」に対抗する方法でも何でもない。
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仮に、ラディンが犯人としても、と僕は書いている。ラディンが犯人であるとは明らかにされていない。明らかにできないのに、犯人として扱って良い訳がない。犯人を犯人として司法的に裁く以外にして良いことはない。
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ベトナム戦争と同じだと思う。ベトナム戦争の北爆は、トンキン湾で北ベトナムから攻撃を受けたというのが理由だった。後にその攻撃はなかったということがはっきりした。それと比べると、ニューヨークは５千人の死者を皆が見た。だから、爆撃を始めやすかったとは思う。しかし、だからそれで良いとは言えない。アメリカの爆撃で殺された人達がテロの犯人でないことはあまりにも明らかなのだから。
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ニューヨークの郵便局で出会った光景。後から来た人が先にしてもらおうとした時に、待っていた人の列の中から「それは、アンフェアーだ。」と大きな声がした。僕は好感をもってその声を聞いた。今の、アメリカの軍事行動に対して「これは正義ではない。」という声がもっと大きくあって欲しい。
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先日、チョムスキーの「９．１１アメリカに報復する資格はない！」（文芸春秋）という本を買った。良くぞ言ってくれた、と思った。
もう１冊、広河 隆一「パレスチナ 瓦礫の中のこどもたち」徳間文庫を読んだ。何故自爆テロリストになるのか理解できた。イスラエル軍によって両親を殺され、兄弟を殺され、難民キャンプを攻撃され、戦士になって闘うのは当然で、いずれ自分も必ず殺される身と考えたら、自分自身を武器にしようと思えると思った。そういうことを、イスラエルはしているし、アメリカはそれを一緒にやっている。イスラエルの横暴をユダヤ資本のアメリカが応援している。イスラエルの武力をやめさせることが、何より必要なことだと考える。
タリバンは、他の勢力より ましだという報告を読んだことがある。その情報を僕は信用している。アメリカは自分の意のままになる政権が欲しいだけだ。そんなことをして良い訳がない。してはいけない。
今回はここまでをE-mailに乗せることにします。
ひろせ しんじ
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