ふていきびん 不定期便 第56号 1991.4.18 ガリじゃなくて、WP・コピー版の僕の個人誌
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ひろせ しんじ：
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10時40分。こんな時間に風呂から上がってのんびり大人部屋に居られるなんてことはなかなかない。そこで、今夜は、どうしても「ふ」56号を作ろう。
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今日も約束があったのだけれど、夜の約束が昼間に片付いてしまって、珍しく早く家に帰り着けた、という次第。
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辻堂に越して来て、実に通勤が大変になった。歩し遅くなったなあ、と思うと11時を回っている。それでいて、一番遅くとも、7時半には家を出る。今迄とは大違い。
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引越号はかっこが良すぎて、配る気になれないでいた。でも、今回は同封するつもり。
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先日、WPではだめなので、原稿用紙に書いていた。WPだと、途中まで打って打ち出しをしないまま、打ったことさえ見えなくなってしまって、そのままになってしまう。それが嫌で、原稿用紙に書いてみた。
今回、その文章も載せるつもり。
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疲れすぎている。自分が自分であるための時間を作れないでいる。つまり「ふ」を作ったり、日記を書いたりする時間のこと。
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子供に振り回されているとは思う。しかし、子供だけではない。また子供のせいにしてはいけない。子供との関係の中で、僕は僕とはっきりさせないのがいけないのだから。子供を暴君にして、自分が奴隷になってはいけない。きちんと対局する人としていないと。
子供の存在より前に自分自身が居ないと意味がない。
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先日、特別の用事もないのに、「用事ができちゃったので。」という理由で、朝、電話をして会社を休んだ。「風邪気味で」と朝の電話で言うことはあるけれど、「用事」と言ったのは初めて。
「用事」というと、前から予定が立っている引越だったり、冠婚葬祭ばかりだった。
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年次有給休暇は当然の権利としての休暇であるはずなのに、病気や突然の事故のためにしか使ったことがなかったし、その大半は捨てていた。
捨てない方が近代的だとは思いつつも、休むという習慣がなかったとも言える。夏休みについてはちゃんと消化していたけれど。
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今年は、ちゃんと夏の前の休暇を取れるようにしたいと思う。5月がすぎたら急に暇になってしまった、ということになっては困るので。もう一度家を探す訳にはいかないのだから。
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家の話。精一杯の背伸びをして、土地付きのものにしました。横浜、戸塚、港南台と探してきて、パッと空が広がった所に決めたら辻堂だったのです。
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偶然の結果だったのだげど、ピークのほんの少し前で、前のマンションが倍になって売れて、借金を倍にして今のところを手にいれた。手に入れたと言っても、まだまだ、半分以上は借金だけれど。
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そのことが「僕もこういうことをしているのだなあ、」という思いと、「入れ物はあってもいい、あった方がいい、けれど、そのためにこんなに疲れてしまっていいのか」という思いがある。
年収の10倍以上でないと手に入らないというのはおかしい、と思うし、それなのに手に入れようとして足掻いている自分があるということがもっと異常だ。
僕は本来、そういう事どもからは自由な人だった筈なのだが。
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今、仕事もうまく行っていない。自分では、ずっと効率良く回転していた時のイメージがあって、また、その頃のモーレツ社員のイメージがあって、近代的な労働時間内で処理できる量という発想がまだ本物になっていない。
能率の悪さも殆ど改善されていない。
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仕事を口実に勉強をさぼるのはやめようと思ったし、引越以降は、それを実行できている。
引越までは、という口実を作っていたので、それが消えたら、良くなったということもある。
自己実現としての仕事という意味では、やはり、勉強を重ねることと、他の人の考えないことまで考えるという自分のやり方を押し通すしかない、と確信を深めている。
そのための作業がいろんな事に優先すベきだと思っている。
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仕事は、今の場に対する思いはどんどん減っている。思い入れによって自分が背負い込むことに対して、警戒心が出てきている。
僕の人生態度からしたら、明らかに違うことなのだげれど、事なかれになっている。自分を生かせているとは、とても思えない。
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具体的な仕事について言えぱ、今、僕のところではサービス・マークの登録制度が法制化されるので、やればやるだけ面自い仕事がある。なんだかんだと言いながらも、結構やっている方だとは思う。しかし、自分のイメージからしたら、とっても不足している。
それもこれも自分をサラリーマンにしているからだと思う。
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辻堂の話をしましょう。
子供にとっては、良い場所であったようです。
地面に対して、一番こだわりを持っていたのは僕なのだと、いうことはここに来てみて判りました。
それはともかく、子供が穴を掘って「生ゴミ入れ」を作ったり、花を植えたりするのを見るのは楽しいものです。
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僕自身は、先日材料をたっぷり買って、自転車小屋作りを始めました。日曜の朝から夕方まで外に出て、鋸をひいたり、かんなをかけたり、たっぷり楽しく、十分に体を動かす作業です。
子供達も、お父さんと作業をするのは大好きです。
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文君が小学生になって、もう2週間になるのでしょうか。
僕としては、なるべくなら学校にやりたくないと思っているのですが、今のところ文君は、「学校は面白い」と言って通っています。毎日のように、友達が遊びに来たり、遊びに行ったりしているようですから、僕の心配していたことは1/4位は解消したとも言えるでしょう。
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近所の子と一緒に水泳教室た行こうかという話も出てきているそうです。僕としては、スポーツは楽しんでやるならいいけれど、怒鳴たり、口汚く言ったりする所なら絶対にやりたくないと思うのです。競争させるのも嫌です。
楽しむために競争するのではなくて、競争を目的にしてしまうからです。スポ根では嫌なのです。
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文君には、嫌だったら学校には行かなくいいよ、と何度も言っています。
普通教育を与えるのは親の義務ではあっても、子供が教育を受ける義務ではないのです。
学校は教育を提供する義務はあっても、教育を受けることを強いることはできないのです。その点を何度でも言いたいと思います。
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先生の言うことを聞かなくなるから、「子供の前で、先生の批判をしないでくれ。」と言ったそうです、そんな馬鹿げたことがありますか。
先生の言うことを聞くか聞かないかを自分で判断できる子を作るのが当然です。先生の言うなりに殺されてしまう子供にするつもりは僕にはありません。
いじめにあって自殺した子供の悔しさを思います。その子の親の悲しさを思います。
先生は加害者として非難されて当然です。先生面を続ける限りだめです。
僕は先生の側に居ません。子供の側に居るのです。それが親です。
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自分だけ、子供から批判されないままでいよう なんてことを考えること自体が変なのです。やはり、学校の異常性という問題をもっと真剣に考えて、自己防衛しないといけないところに居るということでしょう。
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まったく別の話。
カヌーで旅する話を文庫本で読みました。そしたら、僕もカヌーが欲しくなって、今、どれにしようかと考えているところです。買う前に一度、講習を受けに行ってみるつもりです。子供と2人艇を漕ぐなんていいですねぇ。
辻堂の海と、下田の海の両方で遊べるものを考えています。本当にそんな風にできるのでしょうか。
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１段空いたので近頃読んだ本の話でも書こうか、と思ってノートを見たけれど、軽い本ばかりで、これといった本もない。白いまま埋めないことがあってもいいんじゃないかとも思うので以下余白にしておきます。
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打ち出して、コピーを取るところまでは、できるとしても、発送の方が今回もなかなかできないはず。それで、一言書き足さないまま封筒に入れてしまうかも知れませんが、許して下さい。
一言はなくても、「ふ」全体として受け取って下さい。
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☆「不定期便」は、ひろせしんじの個人誌。好き勝手な思いつきをそのまま書いて送ります。無理やり読んでもらうのは本意でないので、読みたくない人は、そう言って下さい。☆