ふ て い き び ん 第40号1986.5.31
ひろせ しんじ ：
「月刊化は結果であって、目的ではない」とか言いながら、月刊ということにこだわっている。せめて月1度位は「ふ」を出すために書いて考えたい、というのが僕の気持ち。
「ふ」を作ろうとしないと、大切なことも考えないし、書く機会も作れないから。
考えた結果として書き、書いた結果として「ふ」が出る、というより、書いて考えるために「ふ」を出すという感じ。書くことは、考えるための方法だというのは、前にも少し書いたよね。
さて、今日は5月31日。5月号滑り込みセーフか。
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まずは職場の話。
書いた中味によって、その中味を知っている人には、かえって渡しづらいということがある。39号を職場の人に渡すために書いた手紙の一節、
『39号は、職場のことを書いているので、職場の人には何となく渡しにくい気がします。
職場が、毎日の生活時間の中では一番長く居る場所なのに、その中で人間的な関係を結ぼうとしていないのはおかしな気もします。また、職場は仕事だけにして、仕事以外のことは、放っといてくれという気持ちもあります。
職場は、彼らの場であって、自分の場にはできないのだ、ということが大前提にあるのでしょうか。そんな気もします。
今回、職場のことを書いたけれど、僕白身、まだ、この場をいい場に変えよう、と思い立って書いたのではないのです。早くこの場を逃れたいと思って書いただけなのです。そのための方策が早く帰って自分の時間を作って、自分自身を元気にして、それで自分が親分になるための作業をする、ということです。
と、言いつつ、こうして元気になるための作業は少しづつ回転しはじめたのにまだ、親分になるための作業の方には乗り移れていません。早く乗り移らないとね。』と。
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以前は、職場の人と遊ぶということに対して批判的だった。遊ぶ時くらい職場から離れたらいいのに、と思っていたから。
けど、この頃は、職場の人達と月に1度は泳ぎに行くし、結構職場の人との遊びを計画する側になっている。
きちんと考えてから始めたことではないけれど、職場は彼らの場だから、なるベく自分を少ししか出さないようにして、職場から離れた場で自分の生活は作ろうと言っても、職場に居る時間が生活の中で圧倒的に長いので、無視できないということに気付いたからそうしているのだと思う。
労務対策に使われるようなことはしたくない。これははっきりしている。僕の労働法の知識も当然自分自身の労働者性に基づいた使い方をしたい。
遊びも一緒にやらないとなると、彼らと対抗するだけの僕らの思いも作る機会がないとも思うし。まぁ、今の僕にすぐに対抗すべき課題がある訳ではないが。
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彼らの場だからといって、自分を出さないようにすると、ますます彼らに付け込まれて、こちらの人間性が無視され、単なる労働力と扱われてしまう、ということ。
労働というものは、人間が担うものなのだから、常に人間性を伴うものなのだ。だから、単に労働力として見られてはならないもので、彼らとの間に労働を提供する側の人間性を認めさせなくてはと思う。
自分の都合を言って頑張った方が人間的だと思う。初めは、その場その場ではギクシャクしても、その場その場の小さなことに自分を出すようにしたらどうだろう。今まで、余りに合わせすぎていたと思う。
残業の話もその一つだと思う。「残業」というより「労働時間の短縮」という風に問題をもっと、きちんと立てよう。
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《大陸間横斬と白髪のはなし》
どんなに禿げても、耳の脇の毛を反対側まで薄皮のように引っ張っていくのはやらないぞ、と前から言っている。
大陸間横断の髪型はしないと宣言しているけれど、白髪は気になる。それで、せっせと白髪を抜いていた。けど、このところ、追いつかない。それと、白いのを抜くと髪の毛の絶対量が不足するように思うので、今度床屋に行くまで白髪を抜かないでおいてみたい。
さて、真っ白になってしまうものやら。
なお、現在、額と頭皮の境目は不明になりつつある。白髪になるに決まっている家系なので、安心していたけれど、白髪の上に、額でない部分も拡大していくなんて。
僕をして、こんな話をさせる年代に立ち到ったのか？