《「ふていきびん」のこと》

　「ふていきびん」は、ひろせしんじの個人誌。好きなことを、好きな時に書いて、好きな人に、好きな時に送る。多くはE-mailでの送り出し。時に郵便を使うという程度。

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　1973に始めた頃は、ガリ刷りだった。方眼原紙にカリカリ書くのが好き。ローラーと網も自分のものを持っていた。プロの孔版屋さんに教えてもらった秘伝の技術を使って刷っていた。その後、ワープロ×軽印刷、ワープロ×コピー、パソコン×打ち出しを経て、パソコン×E-mailに変わった。

　一番初めは、同人誌で、僕の原稿を早く刷りたくて自分だけでやってしまったのが元。その後、1人で書いて、1人で刷って、1人で発送するのが、一番楽な方法ということに気付いて、その後は、他の方法には戻れない。

　書きたいことは、いつでも沢山ある。だから、本当はもっと沢山書きたいし、もっと沢山送り出したい。でも少し自制している。僕にしたら、書き始めたら、思ってもいなかったことが書けてしまうというのが一番好き。練る前の方が本物という気がする。もちろん練ったものはそれなりの良さはあるけれど。

　言葉は、伝達の道具というよりも、考えるための道具。それが、「ふ」に一番現れていると思う。「ふ」にしようと思うことで、書きながら考えが進んでいく。発見がある。それが「ふ」を作りたい一番の理由。自分を表現しようとするが何よりも好き。

　そして、何らかの形にしたものしか、後に残れないというのをすごく感じている。

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　話し言葉は一過性で、文字は永遠という言い方をすることがあるけれど、文字も基本的には一過性。残された文字というのは、例外なのではないか。本という例外が沢山あることはうれしい。でも本も一過性でしょ。

　それで、自分自身で、自分の書いたものを一過性よりほんの少し長い間留めておこう、という思いがHPの「ふ」なのです。

　なるべく、沢山を書いて、HPに乗せたいと思う。

　「ふ」の古い号は、「ふていきびん小史」を開いて、もくじを見て、各号を呼び出すという方法で見てください。何しろ、30年前の文章も見れちゃうのですから。文責はその当時の僕にあります、としか言えないね。030410